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書籍「最強の経験学習」の感想




書籍『最強の経験学習』を読んだので感想を書きたいと思います。

1.本書を一言でいうと

経験を通じて効果的に学習し続けることが人生を豊かにする!

2.著者「デビッド・コルブ」について

 ハーバード大で社会心理学の博士号を取得しており、経験学習の理論を考案者です。1970年代に以下の4つのサイクルによる経験学習のモデルを考案しています。本書ではさらにそれを9つの学習スタイルとステップに拡張して説明しています。
・積極的な行動
・具体的経験
・内省的検討
・抽象的思考

3.4つの経験学習のステップ

 著者は”経験こそが学びの入り口である”と述べています。自分が人生を通じて”学習者”であるというアイデンティティをもって、経験学習の四つのサイクル(具体的な経験→内省的検討→抽象的思考→積極的な行動)を回すことで、新しい学びを得ることが出来るということを主張しています。著者は”学ぶためには自分はそのことを「知っている」という確信を手放す必要があります”と言っています。確かに、普段の生活や仕事について、分かったような気になっていることで学習の機会を逃していることはよくあるように思います。例えば、子供の頃や新入社員の頃は、分からない前提で物事を見ることが出来て、自ら考え学ぶ機会が多かったように思います。それが経験を重ねるにつれて、分かっているような気になって疑問も持たずに見過ごしていることがたくさんあるということに気づきました。
自分の経験を学習につながるためには、以下の学習サイクルを意識して、学習者として謙虚に物事を見ることが大事だと思いました。

4.9つの学習スタイルについて

 著者は人には9つの学習スタイルがあると説明しています。それぞれのスタイルには得意なことや苦手なことがあります。人は経験から得意な学習スタイルを偏って使ってしまっています。それは、キャリアを形成する上で重要なことではなあるのですが、全てのスタイルを状況に応じて使いわけることで、経験を通してより深い学びを得られると説明しています。
本書には「学習スタイル判定表」があり、自分の得意な学習スタイル、苦手な学習スタイルを知ることが出来ます。私の場合は「検討」「想像」「思考」のスタイルを使うことが多いように思いました。逆に「決定」「経験」「開始」など苦手かもしれません。考え過ぎて行動に移すまで時間がかかることが多いように思いますので、意識的に苦手なスタイルを使って行動的になりたいと思いました。
 本書では、それぞれのスタイルの特徴(得意なこと、苦手なことやコミュニケーションスタイル)、どうしたらそのスタイルを強化できるのか、といった内容が記載されています。自身の得意なスタイル、苦手なスタイルを理解するためのチェック表もありますので、本書で自分のスタイルを知って、苦手なスタイルを克服する方法を知ることができます。

5.学習の柔軟性を手に入れて人生を変えるにはどうすればよいか

 人はどうしても得意な学習スタイルに偏ってしまいますが、より人生を豊かにするためには学習スタイルの柔軟性が重要であると著者は述べています。柔軟性を身に付けるための方法としては以下が挙げられています。

①マインドフルネスを取り入れる

 著者は学びの入り口である「経験」を、自身の学習に活かすために、意思的な方法で経験から先入観を取り除くことが大事であり、そのためには、マインドフルネスが有効であると述べています。マインドフルネスは瞑想を利用し、今この瞬間に起こっていることに注意を向けて、心を鎮めることです。マインドフルネスは思考や習慣による自動的な反応を減らし、先入観を取り去って「今ここ」を意識することに役立ちます。心身の健康への効果が注目されていますが、自身の学習プロセスをより効果的なものにすることにも役立つのであれば、マインドフルネスは是非習慣として取り入れたいですね。マインドフルネスはYoutubeなどに方法がたくさん説明されていますのでご興味のある方は調べてみてください。

②学習サイクルの各ステップを意識的に使う

 “学習サイクルを指針として意図的に学びに使用する”ことも柔軟性をあげるために必要です。特に意識せずに過ごしていると、どうしてもいつも通りの思考や方法で学習のプロセスを進めてしまうと思います。あえて、「今は経験するスタイルを使っている」「次は検討するスタイルを使おう」などと学習ステップを意識することで、学習スタイルの柔軟性を身に付けることができるとのことです。

③焦らず小さな一歩から

 柔軟性を高めるためにはコツコツと経験を積む必要があります。焦らずに少しずつ日々の積み重ねが大事です。三日坊主になってしまわないように、自分が少しでも出来たことがあれば、しっかりと自分を褒めてあげながら着実にステップアップしていきましょう。




6.まとめ

 読んでいて共感する部分も多く、納得感が高い本でしたが、9つ全ての学習スタイルを理解して、日々実践するというのはなかなかハードルが高いように思いました。まずは、自分が特に苦手としているスタイルを意識的に取り入れられるようにしたいと思いました。最終章に「学習スタイル別のまとめ」が載っていますので、それを見返しながら、意識づけていきたいと思います。


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