食品表示検定 上級の勉強方法について




2017年12月3日実施の食品表示検定上級試験に合格しましたので、勉強方法等をご紹介したいと思います。

1.勉強時間について

私の場合は2017年度の試験直前に20時間程度の勉強をしました。
ただし、食品表示検定上級を受験を受験するには中級試験に合格している必要があるため、中級試験の勉強である程度の基礎知識があることが前提となりますし、私の場合は仕事で年に数回ですが、食品表示のチェックをすることがありますので、実務の経験がある程度あります。また2016年度にも上級試験を受験をして(その際は数時間しか勉強できませんでしたが。。)不合格となっています。
上記の通りある程度のアドバンテージがある状態で、合格点ギリギリでしたので、50時間以上はかけて勉強したほうがよいのではないかと思います。本当はもっと勉強して万全な状態で臨みたかたのですが、1週間前まで他の資格試験を受けていたため十分に時間を確保することができませんでした。とはいえ、勉強の仕方次第で必要な時間は変わりますので、大体の目安程度に考えていただきたいと思います。

2.勉強方法について

食品表示検定の上級は、前半が選択式の問題、後半が記述式の問題となります。
合格基準は100点満点中80点以上と厳しいボーダーラインが設定されていますので、全体で満遍なく回答できるようにする必要があると思います。

私は2016年度の試験を受験する前に、食品表示検定協会が毎年秋ごろに開催している対策セミナーに参加しました。
上級試験は公式なテキストも発行されておらず、過去問も公開されていないので、まずどのような形式の問題が出るのか知るために、可能であれば対策セミナーへの参加はお勧めします。
2016年度のセミナーの内容は昨年度の試験問題と模擬問題が配布され、模擬問題の演習をして、解説を聞く、という内容でした。

2017年度の試験対策では、上記のセミナーの資料と、2016年度の試験で入手した問題用紙を使って勉強しました。
テキストとしては、中級試験の公式テキストと消費者庁のホームページに掲載されている各種通知やQ&Aを使用しました。

また、以下の食品表示法ガイドブックも購入しましたが、試験対策にはあまり使用しませんでした。
ただ、食品表示についてわかりやすくまとまっている本なので、仕事で使う人は持っていてもいいかな、と思います。

3.試験前半(選択問題)対策

上級試験の前半は選択問題で35問を45分で回答します。すべて4択問題でした。
8割以上正解しないといけないということと、中級試験と比較するとかなりマニアックな問題も多くなることから、前半の対策を十分にしていないと上級試験は突破できないと思います。後半の記述式は、前半を突破できる知識があれば、あとは回答の仕方を練習して慣れるだけでいいので、個人的には前半のほうが鬼門だと思います。

対策として、過去問のすべての選択肢について、根拠を通知やQ&Aから探すということをしました。
消費者庁のHPに「食品表示法等(法令及び一元化情報)」というページがあります。こちらに通知やQ&Aが掲載されていますので、一問ずつ解答の根拠となる文言を探すという作業をしました。この作業に一番時間を要しましたが、通知やQ&Aの中からある程度当たりをつけて、PDFで問題文のキーワードを検索しました。問題文の文書は通知やQ&Aから抜粋されていることが多いので、PCで検索すると一々読んで探すよりも時間を短縮することができると思います。

2年分過去問を解くと気付くのですが、結構過去問と重なる問題が多いです。様々なQ&A等から満遍なく出題されますが、毎度出題される問題など傾向があります。なので過去問をまずやるのが一番の近道だと思います。その後は、通勤時間などに通知とQ&Aを繰り返し読み込みました。
食品表示法以外に酒税法やGIマークに関すること等も出題されますので、その辺も中級のテキストや各省庁のHPなどで確認しておく必要があります。

上級試験はテキストがありませんが、法令や通知、Q&Aなどを見れば問題文がほとんどそのままの文言で記載されていることが多いです。実務で食品表示を作成・チェックするのであれば、根拠となる法令などを自ら探して読みこなす力が必要となりますので、そういった能力を測るためにもテキストを作らないのかな、と思います。

4.試験後半(記述問題)対策

後半の試験は105分で、出題されるテーマについての800字以内の論述が1問、表示の間違い探しが2問、表示の作成が2問です。時間的にはあまり余裕はないので、時間配分は注意が必要だと思います。
表示の間違い探しと表示の作成については、実務で経験がある方は有利だと思います。原材料の配合表や栄養成分などの前提条件が与えられ、それをもとに表示の間違い探し又はさ作成をする問題となります。それほどマニアックな知識が必要となることはなく、前半の選択試験を突破できる知識があれば十分に回答可能だと思います。ただし、回答用紙への記入の仕方など、初見だと戸惑うこともあると思いますので、セミナーや過去問で数回は練習しておくべきだと思います。
800字以内の論述については、与えられたテーマについて、3つのキーワードを使って回答する形式です。先に表示の間違い探しと作成の問題を終わらせて、最後に取り組んだほうがよいと思います。
テーマは「栄養成分表示について」とか「食品関連事業者、製造者、製造所等の表示について」とか、中級テキストの中で個別に説明されているような内容がテーマとなるように思います。なので、中級テキストで個別に説明されている部分を読んで、800字程度で説明する練習をしておくとよいと思います。あと「食品表示基準について」という通知の内容も読んでおくとよいと思います。2017年度は試験の範囲ではありませんでしたが、新たな原産地表示は体系的に説明する自信がないため、出たら困るなーと思っていました。
因みに、論述式では初めにキーワードを使用した部分に下線を引く必要があります。私は試験当日に下線を引くことを忘れたので、今回も不合格かと思っていましたがなんとか合格できました。おそらく減点はされていると思いますので、下線の引き忘れにはくれぐれも注意しまししょう。




食品表示検定上級に合格すると「上級合格者の会」というものに自動的に入会することとなります。私にも2018年の4月末ごろにメールで案内が来ました。どのような活動があるのか今後楽しみにしています。

栄養成分表示の見方(糖質)




糖質制限やトレーニング、ダイエットをしている方に限らず、健康に気をつけている方であれば食品を買う際に、その食品にどんな原材料が使われているのか、アレルギー物質は含まれているのか等、食品の裏面などに記載されている表示を気にしたことがあるのではないでしょうか。

かつては食品のパッケージなどに記載する表示の内容について、食品衛生法やJAS法、健康増進法など複数の法律で定められており、それらの法律すべてに適合する形で表示を記載する必要があり、食品を販売する事業者にとっても消費者にとってもわかりにくい状態となっていました。

2015年4月に施行された食品表示法によって、食品の表示にかかる基準が1つにまとめられ、一部の表示方法などが変更されました。
実際は薬機法(旧薬事法)や計量法、景表法などその他の法律も食品表示には関与してくるので、1つの法律に全てが統合されたわけでは無いのですが、以前よりはかなりすっきりしたのではないでしょうか。

新しく制定された食品表示法における従来からの変更点の1つとして、一般消費者向けの食品における栄養成分表示の義務化があげられます。

栄養成分表示とは以下のような表示です。

栄養成分(100gあたり)

エネルギー ○○kcal
たんぱく質 ○○g
脂質 ○○g
炭水化物 ○○g
食塩相当量 ○○g

従来は任意で表示されるものでしたが、食品表示法の施行により、一般向けの加工食品(スーパーやコンビニなどで袋や箱に入った状態で販売される加工食品)には表示が義務付けられました。
2017年現在は新法への対応の猶予期間であるので、未対応の食品も多く流通していますが、2020年4月までには全ての一般向け加工食品で表示が必須となります。

例として示した図にはエネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量のみ表示していますが、これらは基本的な5項目であり必ず表示する必要がある栄養素です。
更に、炭水化物は食物繊維と糖質に分割して表示することができますし、脂質も飽和脂肪酸、n-3系脂肪酸、n-6系脂肪酸と分割して表示することも可能です。その他に、ビタミンやミネラルなども任意で表示することができます。

糖質を制限されている方は特に気になるのは「炭水化物」の表示かと思います。糖質は炭水化物ですので、糖質制限をしている場合は炭水化物の少ない商品を選んで購入した方がいいかもしれません。ただし、上記のとおり、炭水化物は糖質と食物繊維の合計値ですので、「炭水化物が多い=糖質」が多いというわけでは無いことに注意が必要です。
炭水化物が多いと言っても、食物繊維が多い場合と糖質が多い場合ではだいぶ意味が異なってきます。食物繊維はむしろ積極的に摂取した栄養素だと思います。

因みに、炭水化物および糖質は以下のような計算式で求められます。

100-(水分+たんぱく質+脂質+灰分)=炭水化物
100-(水分+たんぱく質+脂質+灰分+食物繊維)=糖質
(食品表示基準別表第9より)

つまり、食品から水とタンパク質と脂質と灰分(ミネラル)と食物繊維を引いた量が糖質として算出されるのです。
水でもタンパク質でも脂質でもミネラルでも食物繊維でもないものは、全部糖質にしてしまうというのは少々乱暴な気もしますが、実際の食品に含まれる糖質でもなく水でもなくタンパク質でも脂質でもミネラルでも食物繊維でもない物質の量は無視できるほど少ない場合が多いのでしょう。




食品の栄養成分表示に「糖質」や「食物繊維」の表示がなく、「炭水化物」しか表示されていない場合は、食品の原材料から糖質の多いものなのか、食物繊維の多いものなのか、見分ける必要があります。
そのような場合は、エネルギーの計算方法として、「エネルギー=タンパク質(g)×4kcal/g + 脂質(g) x 9kcal/g + 糖質(g) x 4kcal + 食物繊維(g) x 2kcal/g」として求めることがありますので、エネルギー(熱量)も1つの指標となると思います。

ただし、単純に「エネルギー=タンパク質(g)×4kcal/g + 脂質(g) x 9kcal/g + 炭水化物(g) x 4kcal 」として求める場合もありますし、一方では炭水化物を更にアルコール、有機酸(酢など)、 難消化性糖質等を細かく分類して計算する場合もあり、その場合は、アルコール7kcal/g、有機酸3kcal、第一群難消化性糖質(キシリトール等)3kcal、第2群難消化性糖質(マルチトール等)2kcal/g、第3群難消化性糖質(エリスリトール等)0kcal/g、などとかなり細かく計算することになります。
表示に使用する計算方法は各社で異なりますので、消費者が製品のパッケージからそこまで読み取ることは極めて困難だと思います。

更に、炭水化物の表示量は実際に含まれる量と±20%の差があることが許容されています。誤差にしては結構な幅で許容されているように思われるかもしれませんが、それは野菜や果物や肉など自然から採れる食品には必ずしも一定の栄養成分が含まれるわけではな無いので、その程度の差は許容されるということです。

上記のように栄養成分表示だけから糖質の量を厳密に読み取るのは難しい場合もありますが、1つの指標としては参考になるものであると思います。
栄養成分表示を参考にしながら、原材料の表示を確認して食物繊維が多いのか、糖質が多いのか、エネルギーはどの程度なのか等を考えながら商品を選択するといいと思います。
また、消費者が栄養成分の表示をより詳しくしている製品を選択することで、食品会社が商品の付加価値の1つとして、食物繊維や糖質の表示を詳細にするようになると、消費者もより適切な選択ができるようになっていくのではないでしょうか。